「ピーナッツ豆腐作ったんだけどお礼に食べて」
食卓に一品追加されたお豆腐は、ふんわり甘くて美味しい。
ありがとうの気持ち入りなので、なおさらそう感じるのかもしれません。

我が家のガレージには「ご自由にお持ち帰りください」コーナーがあります。
その日は薪ストーブから出る草木灰を、そこに置いていました。
ちょうどピーナッツを育てる畑の土に灰が必要だという方が
灰のお礼にと手作りのお豆腐を持ってきてくださったのです。
必要な方へ届いてほしいという想いだけで置いているのですが
そこにコミュニケーションが生まれることは、やっぱり嬉しいものです。
家族皆大喜びで、「わらしべ長者になったみたい」とお豆腐を頬張りました。
子どものおもちゃや、本、食器、ときには作りすぎた野菜など…
そこで立ち止まってもらえるきっかけをつくることで
地域の方に自分たちのことを知ってもらい、関わる機会が増えました。

そして約半年ほど続けていると変化がありました。
ご近所の認知症の方が、いつもコーナーの更新を楽しみにされて出てこられたり
自分の家の不用品を持ってきてコーナーを充実させたりする方もチラホラ(笑)
それでも集まったものは、すぐに誰かの元へと旅立っていきます。
ご近所さんがどのような方で、どんな状態で生活されているのかも少しずつわかるようになりました。
「不用品が家にあるけれどどうしよう」
「たまに帰省してくる孫のためにおもちゃや絵本がほしいな」
「もらいすぎたものをお裾分けしたいな」
個人が抱える様々な課題は、人と繋がることで誰かの喜びに変わることがあります。
昔は当たり前だったご近所付き合いが少なくなってきた今こそ
「ご自由にお持ち帰りください」から生まれる地域内の循環が
課題解決の糸口になっているのかもしれませんね。

人通りが多くなる春。
暖かい日はどんな世代の方もお散歩に出かけたくなるのでしょうね。
地域のみなさんに私たちのことを知ってもらう。
子どもたちが安心して暮らせるように
また、私たち親が安心して子育てできるように
これからもコミュニケーションが生まれるきっかけを地域に生み出していきたいです。
次の目標は、庭を開放してみんなでおやつを食べること…かな。
この地域に住んでいる限り、いつまでも楽しみは続いていきます。
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