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みんなでつながる

そして繋がるコミュニティカフェ ボランティア活動

薄氷張る手水鉢に日差しが当たる頃 城崎の街中からそっと奥入ったお寺さんの階段の上り口に 使い慣れたであろう歩行器が並ぶ。
手に手を取って一歩ずつ階段を上がられる参加される方々のお姿は お天気も味方して笑顔で満ち溢れているように見える。

今日は地域の特別出張カフェの日。

お世話をするのは コミュニティ城崎 安心のつながり部

いつもの気の合ったおもしろいメンバーがお揃いのエプロンでお出迎え。とはいえ民生児童委員さん 社会福祉協議会さん 消防部員さんや 色んな思いを持ったボランティア活動には至って熱くて真面目な方ばかり?である。

本日の出し物は色んな所でボランティア活動でされてる津軽三味線を演奏されているお二人。始まる前から袴姿を見ると気持ちが高鳴る気がする。

太陽の光が眩しい程のお天気とはいえ 手をすり合わせたいような底冷えする日にも関わらず 参加者の方々は境内にはみ出す程一杯となった。

その為 ボランティアのほぼ毎回決まったメンバーが持ち前の笑顔と何気ない日常会話でもてなすお茶やお菓子は 今回ばかりは提供するのにてんてこ舞いで 想定していたよりお茶菓子が足ら無くなる始末。
急遽近くのお土産屋さんに助けを求め 会場内の飲み物の受付メンバーも何度も行ったり来たり そんな慌ただしさも何とか落ち着き コロナ禍後演奏する側も聞く側もお互い緊張が伝わりながらやがて演奏が始まる。

今日来られた方は全員とは限らないだろうが 前列で目をつむり聞き入る方々は 少なくとも私の様に三味線の音色を聞きながら城崎の歴史を重ねて来られた方々なのかなと思う。

そして沢山の参加者で会場内では収まり切れず白い息の出る縁側から 懐かしい三味線の音色を入口の引き戸を少し開け換気をしながら演奏に耳を傾ける。
美しい庭に何十年振りかに響く三味線の音色は その後も私の頭の中では幼少期の懐かしい思い出と共に走馬灯の様に頭から巡り離れなかった。
今回お借りしている会場のお寺さんというのも 私の幼少期の貴重なコミュニティの場でもあり 色んな大人の背中を見て学んだ場所でもある。

今日来られた方々もお寺さん関係の方々も 温泉街でのそれぞれの全盛期 色々な人生の思いをはせながら演奏を聞かれたんだろうなと色々思いつつ 私にとって懐かしい場所での出張カフェは興奮の中無事終了する。


そしていつものように楽しいメンバーと共に手を振りながら笑顔で帰りのお見送り。
参加者の皆さんも気の合う友人や久しぶりに出合った方々同士 満面の笑顔で「ありがとう」「とても良かったよ~」「次もまた来るわ」と 1段1段手すりを持ちながら石の階段を降り 縦列駐車された歩行器を1人また1人押しながら そして手に手を取りながらお寺さんの門ををくぐる。
談笑しながら帰途に着かれる参加者の方々の背中をボランティアの皆で見送る。

温泉街に生まれて 身近に寄り添う三味線の音色 春祭り 色んな人生の歴史が重なり 私自身も人生後半 後どの位と数えるこの歳になると 色んな方々に改めて御礼を言いたい気持ちになる。
勿論全部ではないだろうけど それがボランティア活動なのかなってちょっと思う。人それぞれだとは思うのだが(笑)

そんな年代や生き方も違えども 今回含めカフェでお会いする方々にも幼少期寄り添って下さった今までの感謝の気持ちも膨らみ その懐かしい三味線の音色を街中で共有したい その思いが城崎の文化のつどいの舞台へ繋がる。 

コミュニティ活動に携わった沢山の方々の協力から始まって 自分の人生の歴史を繋ぎたいという熱い思いを持っておられた私の人生のキーワードでもある最後の芸者さんが三味線を持って城崎アートセンターの舞台に立ってくださる。
有志ある方々と城崎アートセンターの舞台に蘇る年代を超えた鐘 太鼓 三味線の音色が 昔を思い出される温泉街の風景と共にアートセンターに甦り響き渡る。 

コミュニティ出張カフェから始まり繋がった 最後ではない想いの歴史を作って来られた方々 これからこの貴重な歴史を継ぎたいと思う方々 無くしてはいけないと思う方達が気が付けば舞台前のスペースに音色と共に1人また1人自然と集まり 気が付けば世代を超えた大きな踊りの輪となる。

温泉街ならではの 懐かしい思い出から始まって そしてこれからの新しい繋がりとなった。

小さい事かもしれないけれど

身近なボランティア活動から未来へ繋がった町の歴史。 

コミュニティ城崎から 

きっとこれからも 

もっと もっと 広がって。。。

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うめハコ

豊岡市城崎生まれの城崎育ち。嫁いだ先も城崎で。この街の助け合いの精神が大好き。助け合いの一部となるような情報発信をしていきたいと思います。

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