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当事者や家族を知る・考える

仕事と介護で悩んだら

皆さんは、「ビジネスケアラー」という言葉をご存知ですか?
仕事(ビジネス)をしながら介護(ケア)をする人のことです。
経済産業省の試算によると、2030年には国内で318万人に上ると言われています。
「しんどい」と言えず、20年以上ビジネスケアラーだった男性が、母親を殺害するという悲しい出来事が新聞に載っていました。このことからも、当事者は厳しい立場に置かれていることが想像できます。
兵庫県内でもビジネスケアラーは増加し、2022年、約12万人が仕事と介護を両立しているそうです。
また、一方で家族の介護や看護のために離職した人も全国で10万人を超えているとのことです。

仕事と介護の両立を支援する制度として、正社員やパートなどにかかわらず、介護が必要な家族1人につき93日取得できる介護休業や、年間5日間使える介護休暇があります。
ただこの仕組みを知る人は少なく、いつ使うべきかわからないとの声もあります。さらに労使協定の内容によっては申請が認められない場合があるようです。

母親の介護のために、介護休業を取得する準備を進めていた友人のことです。
豊岡から実家まで約3時間。
最初は、月1回だった実家への介護のための帰省が、週1回となると体力的にも精神的にも負担になり、介護休業を申請することにしました。
同じ職場ですでに取得した人があったので、制度のことは聞いていて、職場の理解も得られていたので有り難かった、と言っていました。ただ難しかったのは、いつ取るのかという時期の問題でした。

介護リフォーム補助金で住宅改修をし、介護ベッドをレンタルして準備万端、さぁいよいよ介護休業という時期になって、お母さんが亡くなってしまったのです。
いつまで続くのか見通しの立たない介護で、期限付きの制度の取得時期を決めるのは難しいことだったと思います。
でも、もしこの制度がなかったら介護離職をしていたかもしれない友人は、年齢的に再就職のことを考えると不安で、この制度に助けられたと言っていました。

私の場合は、両親の介護の悩みに直面する前に自分で勤務日を選べるフリーランスの仕事で準備を整えていましたが、、、それでも急に駆けつけないといけないことがあったり、何度も携帯に着信記録があったり、予測不能なことが起こり、思うようにはいきませんでした。
妹は、介護のための通院などは、有給休暇を取得していました。もしそれで有給休暇が足りなくなったら、年間5日の介護休暇を申請して取得することができるらしい(?)、でも前例はない、と言っていました。

柔軟な働き方ができる制度や、相談しやすい職場環境であれば良いのですが、必ずしもそうではないので、冒頭のような悲しい出来事が起こってしまうのですね。
介護の悩みや、自分の家の状況を職場ではなかなか話せないかもしれません。
でも悩んでいるのは一人じゃないので、誰かを頼ることも必要だと思います。

先日、介護の学習会を受けたばかりの私から皆さんにお伝えしたいことがあります。
介護に関する不安や悩みは、「地域包括支援センター」に相談してみましょう!
介護度や家庭の状況により受けられる支援は違います。そして申請しないと支援を受けることはできません。
相談は無料です。遠慮しないでどんどん聞いてみましょう!

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マカナ

とよニコライターのマカナです。 マカナは、ハワイ語で「贈り物」という意味の言葉です。 ポジティブでフレンドリーなハワイが大好きです。 大切な贈り物をお届けするように、投稿していけたらと思います。

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