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免許返納後の父は・・・

前回の記事はこちら:「親の運転免許自主返納問題」

・・・

父が免許返納したのは、1月のことでした。
(免許返納をめぐる家族の話し合いについて書いた記事はこちらから)
1週間ほどして実家に行ってみると
乗っていた軽トラックのキーは、妹の旦那さん(父からみれば娘婿)に渡していました。
「することがなくて、暇なんだ…」という父。
以前なら、軽トラックに乗って出かけ、誰かと会って話したり、畑を見て回ったりしていたのに
家の近くを散歩するくらいしかする事がないと言います。
心なしか元気がないような気がしました。

免許返納から1カ月が経つ頃
ため息ばかりついて、元気がない父を母が心配していました。
急遽アポを取って、養父市の「但馬長寿の郷」に父を連れ出しました。
電動のシニアカーの試乗をさせていただくためです。
免許返納のことや、脊椎管狭窄症の歩行不安のことを専門のスタッフさんに聞いていただき
父は満足したようでした。
シニアカーの試乗体験もうまくいき、また散歩に使える歩行器の提案もいただきました。
付き添った私も、今までは展示品としてしか見ていなかった介護用品を
身近に感じることができた貴重な経験でした。
久々に前向きな父を見て私も安心しました。
この体験が、その後の介護用品レンタルへとつながっていきます。
シニアカーを購入したいと言ってた父でしたが、その願いは叶いませんでした。
同居家族と別居家族の親や介護への想いは、
いくら話し合いを重ねてもなかなか一致しないものだとこの時思いました。

要介護認定となった父は、リハビリデイサービスに週1で行き始めました。
本人はあまり気が進まないようでしたが、認知症予防のためにと勧めると
行く気になってくれました。
介護用品のレンタルの申請が通ると、午前中は歩行器で散歩、
午後はシニアカーで散策と決まったパターンで日々を送っていました。
私も時々散歩に同行し、このまま穏やかな日常が続いてくれるものと思っていました。

安心したのも束の間、次の問題が起こります。
免許返納後のトラクター問題です。
畑の中は乗れても、移動ができないので、野菜を作る意欲も無くなってしまったようでした。
そして自分が野菜を作っていたことも、作り方も忘れてしまったと言う父。
免許返納からほぼ半年後のことです。
父は認知症と診断されました。
免許返納をしたから認知症が進んだのか、病気の進行が速かったのかはわかりませんが、
予想もしていない展開にただ驚きました。
私自身の中には後味の悪さを残しながらも
あのタイミングで父が免許返納を決断してくれて、よかったと思いました。

認知症診断後のお話はこちら「老いていく親の心に寄り添う」

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マカナ

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