失言ADHD少年
ADHDで悩む子どもがうまくできないことがあります。
それは「抑制」することです。
ブレーキが壊れた車をイメージするといいかもしれません。
障害物に向かっているのにブレーキを踏んでも止まらない!といった場面が私にも何度もありました。
例えば、道端ですれ違ったおじさんの髪の毛が薄かった時、「あ、ハゲやん。」と思うことがあります(よね?)。
ですが、それは心の中で思うことであって、口に出して言うようなことはしません(よね?)。
幼い時の私はもちろん、相手にちゃんと聞こえるようにくっきりはっきりハキハキと「あ、ハゲやん。」と言っていました。(おじさんごめんなさい)
「これを言うと相手が嫌な気持ちになる」ということを想像できない訳ではなく、
また、相手を傷つけたい、といった意図も私にはありません。
ただ、ただただ、思ったことが口を割って出てきてしまっていたのです。
ですのでよく「えっ!」と反応する相手の声を掻き消す程大きな声で「えっ!!」と驚いていたものです。
言うつもりなかったのに…言ってしまったか。と反省をします。
しかし、ひとしきり怒られて、謝った後の去り際には
「カツラしたほうがいいかも…」の心の声がまた口を割ってしまいます。
ブレーキを踏むどころか、アクセルを踏んでしまっています。ほぼベタ踏みですね。
冒頭でも書いたようにADHDの子どもは「抑制」がうまくできません。
よって、「心 → 抑制 → 発言」ではなく「心 → 発言」となっています。
今の私にはブレーキとなる抑制機能が搭載されていますが(たぶん)、それがいつついたかわからないので、
そのようなADHDの子どもにどう接してあげればいいのか明確な答えは持ち合わせていません。
しかし、考えて欲しいのは発言が誰に向かっているのかということ。実は誰にも向かっていないのです。
私の場合は、傷つけた側なのに、傷つけられた側のように落ち込むことがよくありました。
傷つけた事実が、私を「悪い子」にしてしまう。
「良い子」でいたい私の気持ちとは裏腹にです。
皆さんの周りのADHDの子どもが「ポロッと言ってしまう」もしくは「一言多い」場合は、
「もしかしたらこの子も傷ついているかもしれない」と心のシフトをニュートラルにして受け止めてあげてください。そうしたら、ADHDで悩む子どもにとってあなたの存在が心休まるパーキングになるのかもしれませんね。
次回も引き続き「抑制」のお話で、「心 → 行動」のエピソード!
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私も「悪即斬」のように悪いと感じたら、即座に口に出し、修正しることが正義であり、勇気だと思ってずっと生きてきました。「あ、歯にネギついてますよ。」は愛なのか、無礼なのか。40歳を超えると、感じてもいいど、時と場合によって言ってはいけないことがあるということに気づき始めました。おかげで、他者とのぶつかり合いは無くなりましたが、人生にハリもなくなってきたなと思います。