我が家は小さな社会
4世代7人家族、完全同居。
そう説明すると大抵の方は、驚きと労いの言葉をかけてくれます。
「大変そうだから、うちは絶対無理!」とも言われます。
…そうです、大変です。
愚痴も出ますし、おススメもしません。
夫婦だってそうですが、元々は他人ですからね。
「元々は他人」だけを切り取ると、家族=多様な人々が生きる現代社会の縮図みたいなものかもしれません。
さて、今回は多世代が一つ屋根の下で暮らすメリットに目を向け、小さな社会で巻き起こるできごとをお伝えしていくとします。
子育てと介護が同時にある環境
86歳のひぃばーちゃんと、4歳6歳のひ孫たちとの交流は、見ていて面白いです。
祖母は認知症を患っていて、要介護・車椅子で生活していますが、病気の進行は比較的緩やかなように感じます。
なぜなら、毎日刺激たっぷりだから。
まだ長男がお菓子の袋を開けられない頃、祖母にこっそりと開けてもらって、最終的に私にバレて2人仲良く怒られた、というエピソードがあります。
祖母は、子どもたちのお願いを聞いてあげようと、脳みそフル回転です。
また、最近私に対しては素行が荒い子どもたちも、祖母には優しい。
どれだけ言っても進んで片付けをしませんが、車椅子が通る道のおもちゃは、サッと片づけます。
自分たちが守らなければいけない存在が、すぐ近くにあるのです。
今でも祖母は、子どもたちが近づくと手を伸ばしたり、にっこり笑って見守ってくれます。
こんな我が家での日々のできごとがきっかけで、小さな子どもと高齢者との交流のように、社会の中で多世代が交流することが必要だと、強く感じるようになったのです。
できる人ができるときに
我が家で主に祖母の介護をしているのは、父です。
介護のために仕事を早期退職して、祖母のお世話を中心に生活している毎日です。
そして、夫は私とバトンタッチする形で育児休業を取得した経験があります。
我が家は、父は介護、夫は家事育児、母と私は仕事、という1年間を過ごしたことがあるのです。
世間的には珍しいことかもしれませんし、周りに理解してもらうことは、簡単ではありませんでした。
しかし、介護も子育ても仕事も、男女は関係ない。
「できる人ができるときにやればいい」という精神で、誰かが欠けても他の誰かがカバーするような仕組みが、自然と我が家ではできているように思います。
この発想をもてることは、多世代で暮らすことのメリットかもしれません。
これは、将来子どもたちに新しく家族ができたときにも、持ち続けてほしい考え方です。
感謝の気持ちを忘れずに
「できる人ができるときにやる」ということは、とても聞こえが良いかもしれません。
しかし、大人がたくさんいるからといって楽ができるわけではなく、例え家族であっても、それぞれに大切な時間があって、お願いするときは相手に配慮するようにしています。
誰かがやるのが当たり前ではなく、誰かがやってくれているからこそ、私は自分のことに集中できるのです。
困ったら「お願いします」、やってもらったら「ありがとう」ということ。
シンプルだけど、それが多世代がみんなで楽しく暮らすコツではないでしょうか。
地域への広がりを願って
我が家のように、多世代で暮らす選択をする家庭は今は少ないかもしれません。
そうならば「地域が一つの家族のようになる」ことで、多様な考えにふれる機会が増えるのではないか、そして助け合える社会になるのではないか。
そんな想いを、私はずっとずっと大切にしてきました。
自分とは違う世代と交流することは、少し先の未来を生きる人との関わりなのではないかと、私は考えます。
子育ては年齢によって悩みが変わっていくし、介護だってそう遠い未来の話ではないかもしれません。
一度経験した人、あるいは今経験している人と関わることで、漠然とした不安が解決したり、手を差し伸べてもらえたりすることもあるのではないでしょうか。
私が今していることも、誰かの未来の姿で、誰かの助けになっていたらいいなぁと思います。
我が家は小さな社会。
多様な価値観を大切に、時にはぶつけ合い、これからもいろいろなことが起きるでしょう。
できる人ができるときに、介護も子育ても一緒に楽しみ、乗り越えていく。
そんな社会が地域全体へと広がっていくことを思い描き、今できることを積み重ねて、生きていきたい
と心から思います。
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同居4世代、身近にいなさすぎて新鮮です。
夫とも揉めるのにさらに、、とか思ってしまうんだけど、こうやって身近にその暮らしを教えてくれると知れる。自分の想像の範囲外のことを、知れる。
子どもたちにはおっきいメリットですね。
ありがとうが当たり前すぎて言ってない自分にも気付きました。
ありがとうー!
uicoさん
ありがとうございます!
私も単世帯で暮らすこと、未知の世界です。
それぞれに良いこと、大変なことがあると思いますが、きっと共通することもありますよね。
私もこの記事を書いて改めて、感謝の気持ちをもつことを心がけようと思いました。
いつも応援してくださって、こちらこそありがとうございます!!