介護の終わり~コロナ禍の入院で経験したこと
前回の記事はこちら:「思い通りにならなくても」
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週に3日ほど実家に通い、見守り介護をすることが私の日常でしたが、その日は突然やってきました。
父が施設に入所して1カ月も経たないある日のことです。
いつものように一緒にお昼ご飯を食べて、テレビを見ながらうたた寝する母…
私は、母の部屋を掃除して、洗濯物を取り込み、「また来るね!」と言って帰りました。
その夜、妹から「母の様子がおかしい」と連絡があり駆けつけると、母は、私のことは認識でき、会話もできましたが、自力で歩けませんでした。
くも膜下出血でした。
まさか…?
父は施設、母は病院、実家に両親はいなくなりました。
介護の終わりは突然やって来る…
まさににその通りでした。
父中心に回っていた生活でしたが、これからは少しは母も気楽になって、自分中心ののんびりした時間を過ごしてほしい、と思っていた矢先のことです。
母がこんな形で実家からいなくなることを、私は全く予想していませんでした。
「こんな事ってある?」そんな思いでした。
でも、介護って目の前にある現実を受け止めないと前に進めません。
認知症の父に関わりながら教えられたことです。
高齢になった母が、不安を抱えながら何を大切にしていたかを考え、私もそれを大切にしながら、会えない見守り介護にシフトチェンジしようと思うことにしました。
ここからは、高齢の親が入院した時の経験をお伝えしたいと思います。
新型コロナという未知の不安が社会を覆い、何度も緊急事態宣言が出され、いつもの日常が日常でなくなったコロナ禍の頃の入院でした。
手術前の医師の説明は携帯電話で受け、手術中は病院の駐車場の車の中で待機、術後説明は時間外の外来診察室で受けました。
もちろん面会はできません。
感染対策のため当然のことと理解はしていましたが、意識が戻っても医療スタッフしか目に入らない、家族の顔も見ることのできない状況の中で、母がどんな思いでいたのかと思うと今でも涙が出そうになります。
集中治療室にいた頃は、担当医から家族の携帯電話に母の容態の連絡が入るのを一日千秋の思いで待ち続けていました。
そんな時、一度だけでしたが、母を電話に出してくださった担当医の心温まる対応には感謝しかありません。
入院から1カ月が経った頃、洗濯物交換時の病室への立ち入りが許可され、やっと母に会うことができる日がきました。
順調に回復していると聞いていた私は、母を見て言葉を失いました。
医学的な回復と家族が思う回復とは違うということを思い知らされたからです。
元気だった入院前の姿を期待している自分がいて、期待値が高すぎたことを痛感しました。
コロナ禍だったからということではなく、一般的に救急搬送された急性期病院には、最長で3カ月しか入院できません。
その後はリハビリのできる病院に転院して、回復を目指します。
病状説明は医師から受け、それをもとにリハビリ病院への転院の相談は、ソーシャルワーカーさんとすることになります。
ソーシャルワーカーさんは、入院中の患者家族の相談にも乗っていただけるようです。
担当の医師や看護師さんに退院までお世話になった頃とは違い、専門的に分業化されて随分勝手が違うなという感じでした。(あくまでも私見ですが)
コロナ禍は終わっても、インフルエンザ流行中の今、病院や介護施設の面会が禁止になり、リモート面会する場合のことを考えて、高齢者の方もスカイプやビデオ通話に慣れておかれることをお勧めします。
リハビリ病院で母とのリモート面会を試みましたが、母が不慣れだったため、戸惑いと混乱でかわいそうな思いをさせてしまった苦い経験から言えることです。
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『医学的回復と家族の思う回復の違い』
ルッキズムと言われても、やはり見た目の変化って大きいですよね。
感染症のことは理解できますが、早くDXしてリモート面会や、安心して話せる環境づくりも欲しいですよね。
そこらへんのお金の使われ方が、医学的回復と家族の思う回復につながってますね。やはり家族の思いは桁違いに偉大であり、それを平準化するのって難しいのだなと思いました。
福祉のサカモトビル様
コメントありがとうございます♪
親が高齢であるにもかかわらず、期待値が高すぎたという反省もありますが…
家族としては一日も早い回復を願うばかりです。
感染症予防のための面会禁止と理解していても、患者にとっても、患者家族にとっても心身に影響を及ぼすほど重大なことだと思いました。
リモート面会や、安心して会話ができる環境づくりのためには、多大なマンパワーが必要ですよね。
いろいろ難しい問題は山積していると思いますが、制度として整っていくこと願うばかりです。