記事一覧 相談窓口一覧

記事一覧

コミュニティの役割―「家でも職場でもない、第三の居場所」として

こんにちは! とよニコライターのりかぐらしです。

私は豊岡市の地域おこし協力隊として、「地域コミュニティ組織(以下、コミュニティ)」の伴走支援をテーマに活動しています。

今回は、そんな日々の活動の中で感じている「コミュニティの役割」について、少しお話しさせてください。

豊岡市内には29のコミュニティがあります。それぞれが、誰もが気軽に立ち寄れる場所として存在していますが、なかでも地域の方々に開かれた場として取り組まれているのが「サロン活動」です。すべての地区で行われているわけではありませんが、身近な場所として足を運んでいる方も多いのではないでしょうか。

サロンは、おいしいコーヒーやお菓子を囲みながら、人と人との交流が生まれる場です。そこには、単なる憩いの空間を超えた、大切な役割があります。


地域ごとに表情の異なるサロン

サロンと聞くと、お年寄りの方が集まる場所というイメージを持たれるかもしれません。でも、実際には地域によってその雰囲気はさまざまです。

乳幼児を連れた親子が訪れるサロン、小学生が学校帰りに立ち寄る場所、お年寄りの方が日頃の出来事や近況を語り合える空間——それぞれの地域に根ざしたサロンが、自然なかたちで形づくられています。

共通しているのは、「ここに来れば誰かがいる」「一人じゃないと思える場所」であるということ。忙しい日々のなかで、ふっと力を抜ける時間が持てるだけで、私たちは安心するのではないでしょうか。


家族のかたちが変わるなかで

近年、日本では核家族化が進み、若者の一人暮らしや高齢者の単身世帯が増えています。かつてあったような、家族ぐるみの近所付き合いは、少しずつ減ってきました。

そんな今だからこそ、コミュニティが担う役割はますます大きくなっていると感じます。若い世代にとっては、親や祖父母世代との交流の場に。お年寄りの方にとっては、孫のような存在と触れ合う機会に。私自身、先日訪れたサロンで常連の方にご挨拶した際、「若い人がいるだけで元気が出る」と声をかけていただいたのが、とても嬉しくて。「頑張らなくても、このままの私で受け入れてもらえるんだ」と、心が温かくなりました。

年齢や立場を越えたふれあいが生まれることで、お互いの心の隙間がふと埋まるような瞬間があります。「また来てもいいんだ」と思える場所があること。それが、サロンの持つ何よりの魅力なのかもしれません。


「帰ってきてもいい」と思える場所に

サロンには、難しい決まりごとも、特別なルールもありません。ただそこに行けば、誰かと話ができる。それだけで、十分なのです。

一人で暮らすご高齢の方が「今日は誰かと話せた」と安心したり、育児に奮闘する親御さんが「少し気持ちが楽になった」とほっとしたり。そんな、日常の中にある小さなぬくもりが、地域のあちこちにそっと積み重なっています。

私自身、母方の祖父—おじいちゃんは、シャイで近所づきあいもあまりなかった人でした。生前、こうした場に出かけることはほとんどありませんでしたが、今の活動を通して各地のサロンを訪れるたび、「おじいちゃんにも、こんな場所があればよかったのかな」とふと考えることがあります。

地域にある小さなサロンは、「帰ってきてもいい」「また来てもいい」と思える、そんな誰かの大切な居場所になっているのだと思います。

..................

~事務局からお知らせ~

ページの下部にコメント欄があります。
記事の感想やライターに書いてほしい記事の内容など、お気軽にコメントくださいね!

★非公開での困りごとの相談や、とよニコへの掲載依頼・情報提供などは「お問合わせ」からご連絡ください。事務局より個別にお返事させていただきます。

りかぐらし

りかぐらし

福井県出身。2024年1月より豊岡市地域おこし協力隊として活動しています。自身の不安障害をきっかけに、日常のなかにある福祉について考えています。自分のペースでぼちぼちと、誰かの心の拠り所となれるような発信をしていけたらと思います(^^)

コメント

この記事へのコメントはありません。

日にちから探す

RETURN TOP