子どもの今と向き合う「5歳児発達相談」
子どもの定期健診は3歳で一段落してしまいますが、実は就学前の時期が一番ソワソワしちゃいませんか?
「この子との関わり、どうしたらいいんかな?先々心配だな」って悩むパパ・ママに私がおすすめしたい事業が豊岡市の「5歳児発達相談」です。
今回は、我が子もお世話になった5歳児発達相談について取材しました!
事業を中心的に担当しておられる豊岡市こども未来部こども支援課こども支援センターの中野さんと内田さんにお話しを伺ってきましたよ。
5歳児発達相談って?
5歳児発達相談ってなんですか?どうして5歳なんでしょう?
中野さん:5歳児発達相談は、お子さんの困り感の早期発見のために兵庫県全体で取り組んでいる事業で、今年度5歳になる豊岡市在住のお子さん(年中さん)全員が対象となります。
5歳は幼稚園等の集団生活の中で社会性が芽生え、自主性が高まる時期です。
同時に周りの大人にとって、成長・発達に関する気になることが見えてくる時期でもあります。
5歳児発達相談は、就学前に、家庭や幼稚園等で気になることや心配なことを相談していただく機会となっています。
5歳児発達相談は兵庫県全体で取り組まれているのですね。
発達相談ってことは、発達障害を見つけるのでしょうか?
内田さん:5歳児発達相談を受けるからといって障害があるというわけではありません。それに必ず発達検査があるわけでもありません。
中野さん:5歳児発達相談では相談内容によって、保健師・心理士・豊岡病院の小児科医の先生と一緒にお子さんとの関わりについて相談できる機会です。お子さんの状態に応じて、療育や医療、リハビリ等の専門機関におつなぎすることもありますが、各家庭で取り組めること、園で協力してもらえることなどについて一緒に考えていく機会になります。
なるほど!
確かに、子育てしている中で分からないことって山ほどありますよね。
頼れる専門機関を紹介してもらえたり、家での関わり方を一緒に考えていただけたりするのは心強いです!
中野さん:そうですね。実は、豊岡市ではこの5歳児発達相談を、こども支援センターだけで行っているわけではないんです。5歳までのお子さんの育ちを知っているこども未来課の保健師、幼稚園・保育園現場を知っている幼児育成課(未就学児の支援を担当する課)と必要に応じて情報共有をしながら、協力・連携しています。
また、園の先生にも同席してもらうこともあり、お子さんの今までの状態を捉え、就学に向けた連携についても相談することができます。
今日までの子どもの育ちを一緒に見守ってくれた保健師さん、今の状況・関わりを相談できる心理士さん、就学までの道のりを一緒に考えて下さる園の先生(幼児育成課さん)。
親子にとって心強い、継続的なサポートを実現した協力体制ですね!
相談利用までの流れ
案内はどのように送られて来ますか?
内田さん:案内は、年に2回、対象児のいる家庭に「子育て質問票」と共に郵送又は通園中の園を通じて配布されます。
できるだけ5歳に近い時期に相談を受けていただけるように、2回に分けて質問票をお配りしています。
質問票はみなさんにご回答いただくものとなっていますが、5歳児発達相談を希望される場合は、質問票の回答内容を確認後、保健師またはこども支援センターの職員から予約のお電話を掛けています。
私も我が子の際に回答した事がありますが、質問票、結構細かい部分まで書かなきゃいけなくて大変でした(笑)
中野さん:質問票の様式は豊岡市独自なんです。
現状に目を向けたり、「昔どうだったかな?」とお子さんの成長を振り返る機会にしていただきたくて。
すごく正確に書いていただく必要は無く、いつも何気なく過ごしている日々やお子さんの様子に改めて向き合う機会にしてもらいたいです。
質問票を書きながら「あれ、どうやったっけ?」と、考えてもらうことに意味があるとおもっています。
気に掛けるって、機会をいただかないとなかなかできないですもんね。
日々ただただ過ごしていると我が子のできてない部分ばかり目についちゃって…
昔のことを答える欄があることによって「こんなことできるようになったなぁ」と、成長の部分にも目が向きますね!
5歳児発達相談の実施場所はどこですか?
中野さん:2023年度はAity7階のこども支援センターで行っています。但東町や日高町の方にもこちらに来ていただかなきゃいけないので大変ですけど、ご理解下さい。(※2024年度の実施について…Aity7階での実施は、トイレを使用しにくい点や駐車場の利用時間に限りがある点など、相談に来てくださる方にご不便をおかけすることがありました。そのため、2024年度は立野庁舎で実施します。)
相談は、具体的にどういった流れで行われますか?
中野さん:一例ではありますが、豊岡市のホームページ上に相談の流れをご案内しています(下図参照)。
保健師からの問診後、小児科医の先生の診察を通じて、この子が今どういう状態なのか、周りの大人に何ができるのかを相談します。
親だけでは見つけられない子どもの困り感を拾ってもらう機会になることもあるのですね。
中野さん:そうですね。診察の後、心理士との心理相談では小児科医の先生とのお話の整理、診察時に聞けなかったような家での対応の仕方等を一緒に考えます。
担当者さんの想い
関わっておられる中野さん・内田さんの想いをきかせてください。
中野さん:あくまで「発達」は子どもを知る切り口のひとつ。5歳児発達相談が「この子(我が子)ってどんな子なんだろう」っていうのを、改めて気づいたり、考える場面になってほしいです。
兄弟関係、どんな環境・どんな気持ちで暮らしているのか、何が好きなのか、全部を通して、この子ってどういう子なのか。
「こういう子だったんだなぁ。だからこうしてあげたら良いんだよなぁ。こういうサポートがいるんだな」って親御さんも園の先生も分かる機会になり、進学する小学校にも「この子を分かる道筋」をつくれたら、入学時に“分かってもらっている上”でスタートできる。
それによって、スムーズに学校生活が送れて「学校っておもろいなー」って、その子がハッピーに成長していってくれることを願っています。
内田さん:「この子、ちょっと気になるところがあるようだけど、どこに行ったらいいん?」と分からず、悩む親御さんもいらっしゃるとおもいます。「この子自身が過ごしやすくなるためには」と考え、構えず、気楽に相談して欲しいとおもいます。
もし5歳児発達相談を受けて療育につながったとしても、療育は我が子との関わり方を教えてもらえる場なので、親も子も楽になるとおもいますよ。私がそうでしたから。
さいごに
私も我が子とともに5歳児発達相談を受けたことがあります。
発達検査では「この子の得意なこと・苦手なことを知るツールだよ」と心理士さんに教えていただきました。
中野さんがお話の中で繰り返し言っておられました。
「この子を知ろうよ」
日々の生活の中では「この子が何を考えているか分からない」と、親の目線だけでは心配にうつる面も
保健師さん、心理士さん、小児科医の先生、園の先生
たくさんの目線を通して、色んな角度から我が子を見てみると、親の知らないところで日々がんばっている姿が少しずつ見え始めます。
そして、パパ・ママが我が子との関わりで再度「どうしたらいいんだろう?」と悩んだとき、相談できるサポーターが居ることに気づけます。
5歳児発達相談は、パパ・ママが一人で抱え込まないように子どもがくれた「色んなサポーターと家族をつなぐ機会」なのかもしれませんね。
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