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つながる2つの言語 ①

私が手話に出会ったのは中学生の時でした。初めて見たときはまるで別世界を見ているようでした。何の迷いもないその手の動きに釘付けになりました。

私は特に大きな理由もなく、手話を始めました。母から誘われ、なんとなく手話ができたらいいなという簡単な気持ちでした。ですが実際はものすごく奥が深く、どんどんその沼にはまっていきました。
手話の世界を知れば知るほどその魅力に惹かれました。

私が手話を始めたばかりの時、ろう(聞こえない)の女の子と出会い、その女の子に自己紹介をしたとき「いい名前だね。似合ってるね」と手話をしてくれました。
私にとって今でもそれが一番嬉しかった、大切な思い出です。

そして その時、それまで自分の中では、なかったつもりの障がいという見えない壁が見えた気がしました。

障がいがあるからという肩書は自分の中ではなかったつもりでした。
ですが、やはり何かしてあげないといけないのではないか、という壁を無意識に作ってしまい、私たちとは違うのだと思ってしまっていたことに気付きました。

そのことに気付けたと同時に、自分の中で無意識に作ってしまっていた壁が一気になくなりました。
そして、私とは違うコミュニケーション方法でこんなにも豊かに意思疎通ができるということ、手話にはこんなにも人の心を動かす力がある。そのことにすごく惹かれました。

それから、手話サークルや手話の講座で少しずつ手話を覚えて、ろう者の方とも少しですがコミュニケーションが取れるようになりました。もちろんコミュニケーションをとることは簡単なことではありませんでした。
私たちが漢字を意味によって使い分けるのと同じように手話も意味にあった表現をしなければ伝わりません。また、その場の状況をイメージして表現することが大切だと何度も教えてもらいます。大切なのは手話の一つ一つの単語を覚えたり、文法を完璧に使いこなすことよりも相手に分かりやすく伝えようとすることです。そのためには、文章の言葉に捉われずに、言い換えたり、まとめたり、様々な工夫が必要になってきます。それがどんな様子なのか、強弱や速度、表情などいろんな部分を使って、文章としてではなく、映像として伝えれるように毎回頭をひねって考えています。

ろう者の方と話すのは初めはすごく緊張していました。「伝わらなかったらどうしよう」「相手の手話が分からなかったらどうしよう」「何度もしてもらうのは申し訳ない」ネガティブなことばかり頭をよぎりました。
ですが、きちんとやり取りができたときの嬉しさは言葉にできないくらいです。自分の手で自分の話したいことが相手に伝わる、飛び上がるくらい嬉しかったです。

それからどんどん手話で話すことが楽しくなっていき、自分からろう者の方と話すようになりました。もちろん分からないことも多くなりました。会話についていけないこと、伝えたいことを手話にできないこと、相手の手話が分からないこと。数えきれないくらいありましたが、それを含めて、ろう者の方と話す時間がすごく楽しくて幸せでした。

手話は本当に豊かな言語です。私たちのような音声言語とは違い、体全体を使って表現するということが、その人らしい部分が見えることだなと思います。
人によって表現の仕方が違って、その人らしい表現方法があって、その人らしい表情があって、その人らしい手の動きがあって、そういう部分が手話の素敵な部分だなと思います。

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はる

はる

豊岡市の通信制高校に通う高校生です。小さい頃から福祉の仕事に憧れ、施設の見学に行かせてもらったり、お話を聞いたりしています。旅先でお話することや思わぬつながりが大好きです。自身の体験したことを少しずつ発信できればいいなと思います。

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